2009.11.30 |
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房総エリアレポート vol.3 太東(たいとう)編
一宮(いちのみや)エリアからスタートした房総エリアレポート。第3回は、サーファー、外国人、セレブを魅了する豊かな自然がのこる太東(たいとう)エリアを紹介する。
日本にサーフィンカルチャーが訪れたのは、約50年前の1960年代。駐日米軍兵が湘南エリアで始めていたのが先駆けとされている。今では至る所で目にすることのできるサーフボードだが、戦後間もない当時の日本には、海で遊ぶという習慣すらなかった時代。"波に乗る"その魅力に取りつかれ、約50年前にサーフィンという文化を日本に導いてくれた先人達が、当時拠点としたのが神奈川県藤沢市鵠沼海岸、鎌倉、千葉県鴨川そしてここ太東海岸だ。当時は海岸先端部の漁港も今ほど拡大されておらず、海外にも匹敵するほどのブレイクを生んでいたという太東。
その後サーフィンはファッションと融合した新しいカルチャーとして、また、ひとつのライフスタイルとして幅広い世代に支持されるようになり、特にここ太東では、ロングボードからショートボードまで、サーフィンを楽しむ老若男女を多く目にすることができる。
太東海岸を北に見て、漁港の後ろに見える小高い丘は、密かに人気のハイキングコースになっている。国道(128号)から太東漁港入口へ入る道の中間にハイキングコースの入り口がある。
かなりアップダウンがきつく、手軽なお散歩というより、ダイエットに最適なトレイルという感じだ。運動靴でいくことをオススメしたい。
コースを進み、中間地点に辿りつくと、まるでアナタのためにだけに用意されたかのような、絶景の見晴らしスポットと椅子。そこへ座り、ゆっくり深呼吸して、そこからの景色を眺めてほしい。太東漁港から、銚子方面までが見渡せる。
ハイキングコースの裏山に広がるのは、別名、外人別荘下と呼ばれているレジデンシャルエリア。「なんでピンク色なの?」と思わずにはいられない、一際目立つ高層マンションがランドマークだ。駐車場には高級外車が並んでいることも珍しくない。曲がりくねった道を進むと、オシャレな家が立ち並び、雑誌の撮影などにも度々使われるスタジオがあったりと、さながら外国の小さなビーチタウンに来た気分だ。
入り込んだ海岸線から波は穏やかなのでサーフィンはできないが、その分シークレット感は抜群。こんなビーチを独り占めできるんだから。また、このあたりのビーチは、釣りのメジャースポットでもあり、イシモチ、黒鯛などが釣れるという。
その昔、江戸時代には現在よりも岬全体が大きく、海側へ約8キロにも伸びていたという。ここ太東岬灯台がある和泉(いずみ)という地名は、伊豆見(いずみ)が語源で、大島や伊豆七島などの地域が見渡せたという説が、語源というのも納得できる。岬の南側は太東海浜植物群落の名の通り、国定公園に指定され、季節ごとに美しい花が咲く。眼下に広がるダイナミックな房総半島の町並みをみながら、青空の下でピクニックを楽しみたい場所だ。
国道(128号)から「太東漁港入口」という信号を曲がり、なだらかな坂を下っていくと、そこはもう太東漁港だ。磯の香りと、漁船。漁港を囲う堤防の上には釣り人の姿が見える。漁港では毎朝新鮮な海の幸が水揚げされ、中でもタコが有名。太東タコと呼ばれ、一流の料亭でしか口に出来ないほどの値段が付く高級品。地元の漁師さんに話を聞くと、「昔はいっぱい取れたよ、今はどうしたもんかねえ」と一言。昔に比べ、水揚げ量も漁師も減っている現状はさみしいものだ。
東京駅から発着する特急わかしおが停車する上総一ノ宮駅での接続を把握すれば、上りも下りもノンストレスで利用できる。上総一ノ宮駅からの太東駅までは、8分。
車なら圏央道の茂原長南ICを降りて、田園風景の中、国道148号線を海に向かって30分ほど走ると、太東エリアだ。
太東エリアには生鮮食品や日用品が揃ったお店はなく、お買い物なら128号を少し南下した「スーパーLEO」がオススメ。地元でとれた野菜や水揚げされたばかりの鮮度のいい魚などが良心的な価格で売られている。
夏は海水浴場として家族連れやカップルで賑わう太東ビーチの周辺には、素泊まりOKの民宿や洋風ペンションなどがあり、価格も良心的だ。そして、太東海岸を見下ろす岬町の小高い丘の上に、"The Legend Cliff Hotel"と名付けられたヴィラタイプのゴージャスなラグジュアリーホテルが誕生するそうだ。オープンは2012年(予定)、その頃にはセレブがお忍びでやってくる場所になっていたりして。
太東エリアは、カリフォルニアのビーチタウンを彷彿とさせるような独特のカルチャーに、豊かな自然がマッチし、アウトドアの楽しみ方はいろいろ。都心からも気軽にアクセスできるので、仲間と物件をシェアして週末暮らしをはじめてみてはいかが?