第65話|すべての鍵を握っているは、「農地の取得」という問題
これらの和室群から成る母屋に連結して、増築部分には広い台所とお風呂・洗面所があり、
ここにはたくさんの食器の入った棚や冷蔵庫、「愛妻号」という名のちょっと懐かしい洗濯機などが置いてありました。
それから、内と外から使える広―い納屋(いわゆる農具を収納する土間の物置きですね)、
納屋の上部となる2階には、まるで軽井沢山荘風の、窓越しに緑滴る洋間2室もあり!
もう、なんというか、こんな家をセカンドハウスにしてしまったら神様からバチがあたりそう、というくらい
何もかも予想以上に立派で、戸惑いすら覚えたほど。
「あずまや」くらいのものを欲していたのに「旅館はいかが?」と勧められたようなもんです。
それにしても、古い農家というだけで、個人の趣味を越えて魅力的に見えるのは、なぜだろう?
わたしたちがこれからつくろうと思っても、絶対につくれないような家。
この土地の風土にすっかり溶け込んでしまって、デザインとか自意識みたいなものが、まったくない家。
夫はどう捉えたか分かりませんでしたが、わたしはこの家に、すっかり魅せられてしまいました。
同時に、こんな家を見てしまったら、いよいよ他の生半可な物件では満足できなくなってしまうかもしれない、
という恐怖も湧いてきました。
・・・・この家に、わたしたちの家族の歴史を重ねていくことが、本当にできるのだろうか?
「おばけだぞ〜〜」「きゃー!」と畳の上をドタバタ走り回っている子供達をたしなめるのも忘れ、
わたしはすっかり真剣に、この家とこの土地を手に入れられ可能性について、考え込んでしまいました。
そんな最中、にいにがCさんをつかまえて、何やら喋っているのが聞こえてきます。
「あのさあ、パパとママさあ、今日すごいケンカしたんだよ。ここに来るとき。」
あ!バカ!何喋ってるんだ!
わたしが焦ってにいにの口封じのために近寄ると、
「ね、ママ。目のおキズは大丈夫?」
・・・薄暗い部屋の中でサングラス外さないでいた意味がないじゃない!
もう、目も当てられない。フォローのことばも見つからずにおろおろしていると、
Cさんは「ボクはいくつ〜?」とはぐらかしてくれましたが、その目は完璧に笑っています。
「にいに、あなた、ちょっといらっしゃい・・・!」
何で怒られているのか理解できないという顔のにいにを外に連れ出しましたが、あとの祭り。
暴力沙汰のある物騒な夫婦には、土地は売れない、なんて言われなきゃいいんだけど。
エニウェイ、
この土地を手に入れるに際し、すべての鍵を握っているは、「農地の取得」という問題でした。
一体、農地って、そんなに手に入りにくいものなんだろうか?
それは何故なのか?そして、どうすれば手にはいるのか?
この問題に直面したお話については、次回です。(けっこう重い話題です〜)
このブログについて平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。
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著者紹介Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

