2008.2.12

最寄りの上総一ノ宮駅

馬場正尊
 

房総の暗示にかかってはいるのだが、それでも冷静になろうと努力した。
というのは、僕がイメージする「新しい郊外」は、別荘では決してない。
都市の家と郊外の家が等価、ここからも事務所に通えなければならない。週末住宅ではないのだ。

だから東京から電車で通えることは、とても重要なことだった。
最寄りの駅は「上総一ノ宮駅」。
小さな駅だがなぜか特急「わかしお」が停まる。東京駅からきっかり1時間。快速でも、Open A(僕の事務所)の真下にある新日本橋駅から1時間20分、乗り換えなしでたどり着く。
この便利さが、ここに土地を買ってしまう決定的な要因となっていく。

家でできる仕事、例えば原稿を書いたり、アイディアを考えたり、スケッチをしたり、それらは房総の家でやる。忙しくミーティングなど人と頻繁に会う必要があるときは都心の家に帰る。都心と郊外を気分と状況に合わせて使い分けるパラレルライフ、多拠点居住が僕の理想。

ちなみに僕は運転免許を持っていない。当然、駅近が必須条件となる。しかも、海近でなければいけない。おのずと条件は限られる。

これが上総一ノ宮の駅。ほんと、何の変哲もない。なんでここに特急が停まるのか?
JRさん、よく停めてくれてた! 感謝です。

なかはこんな感じ。どこかしら懐かしくもある。

駅から出てすぐ、向かい側に魚屋と魚定食の店だけがあるのが房総らしい。
たぶん僕はこの店で魚を買って帰ることになるのだろう。

ちょうど、特急「わかしお」が停車中。

特急は一時間に一本。
まあ、十分だよな。
朝の快速電車は、ここ上総一ノ宮駅が始発なので、急がないときはそれで通勤。
そんなことを考えながら、上総一ノ宮の駅を眺める。

このブログについて
 

東京R不動産のディレクターでもある馬場正尊が、ふとしたきっかけから房総に土地を買い、家を建て、生活を始めるまでのストーリー。資金調達から家の設計、周辺の環境や人々との交流、サーフィンの上達? まで。彼の人生は些細な気づきから、大きくそれていくことになる。馬場家の東京都心と房総海辺の二拠点生活はこうして始まった。
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