第48話|ドーナッツの土地
何より奇妙だったのは、その日2番目に見せてもらった富津市の土地です。
(1番目の土地は完全なる農地で、家が建てられないとのことゆえ、即却下になりまして。)
公図に、当該物件の部分が示してある資料を見せてもらったところ、なんだか変なかんじがします。
ん?土地の外郭をなぞる線の内側にも、くるりと閉じた線が。こりゃ、何だ?
「ああ、これは他のヒトの土地でね。でも、ここにはまったくいらっしゃらない方ですから。」
・・・そういう問題じゃない気もするけど。
つまり、真ん中がぽっこり抜けた、ドーナッツみたいな地型の土地なわけです。
でも、こんなことって、アリ?
真ん中の持ち主さんはどうやって自分の土地にいくんだろう?
まさに、接道していない土地になっちゃっているわけですから。
言ってみれば、この土地の持ち主さんから道をつけるために地上げ交渉されかねないってこと?
「それは問題ありませんよ。お気になさらなくて大丈夫です。」
お気になさらなくてっていっても・・・・気になるよ・・・・・。
しかも、かなり草ボーボーで一目では全貌が分からないんですけど。

はい、視界ゼロです。
「おっしゃるとおり、見ていてもよく分かりませんね。でもまあとにかくとてもステキな土地だから
ちょっと一周歩いてみましょうよ」
Eさんは、わたしが大抵のことはなんとかしますから。というような根拠の不明確な自信を発していて、
そのオーラをどこまで頼りにしていいのかよく分からないまま、そして疑問が宙に浮いたまま
整理されない頭で立ちすくんでいると、
「海に向かってね、ぐうっとせり上がっている土地ですから、向こう側まで行けば内房が一望できるんですよ」
そんなコトバに促され、ともかくこのドーナッツを一周してみることにしました。
ハンメルンの笛吹男についていくねずみのように、Eさんにくっついてぞろぞろと。
そうそう、この土地はね、真ん中が抜けているけれど広いことは広いんです。
それも、うんと広い。3300坪。わお!

この先を行くと、海が見えるという・・・!
ビニルハウスのための平坦地と家をたてる土地の他は、手つかずにしておいてもいい広さです。
多少変なかっこうでもいいじゃない?実はものすごい可能性のある土地かもしれないし。
だいたい、この面積の数字自体が魅力でしょう。
「3300」坪、ですよ。実感できます?都心じゃ家が100軒たちますぜ。
このブログについて平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。
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著者紹介Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

