第33話|行脚はつづくよどこまでも
Sさんと別れ車を走らせながら、夫がぼそっと言いました。
「千葉は脈アリだぞ。もっともっと探せばいくらでも出てくるかもしれないな。」
‘もっともっと・探せば・いくらでも’・・・これからも、土地探し行脚が当分続くことを、暗示するおコトバ。
わたくしとしましては、なる早でいい土地見つけて、さっさと落ち着きたいんですけど。
次なる不動産屋さんは、Tさん。
実はTさんとは以前からずいぶんとメールのやりとりをしていたのですが、問い合わせた物件に対して
「この物件は残念ながら、正直なところオススメできません」とか、
「こちらでしたら、多少淋しい場所ではありますが条件に合うかと思います」などと
親身になってのコメントや提案をいただいていたので、実際にお逢いするのを楽しみにしていたのです。
(メールの文章って、そのヒトの性格やヤル気具合などが恐ろしいくらいにじみ出るんですよね。
ちなみにわたしは、メール美人がとても好き。男性の場合はメール美男子ですかね。)
‘ナマTさん’は、チタンフレームのメガネの奥で、らくださんのような優しい目がしばたいている
マジメに善良に健やかに大人になったのび太くん、というようなお方でした。けっこう、想像通り〜。
お決まりの軽自動車(なぜか不動産屋さんは、軽自動車に乗っている。なぜだろう。
房総だけかもしれないけど)から出てくると、挨拶もそこそこに、案内図を手渡してくれました。
目的地は3個所。前情報的には、価格も広さもお手頃な物件ばかりです。
「まずは房総スカイラインの途中の土地なんですけれど」
地図を見ると、確かに、有料道路を走行中に、あろうことか車を路肩に寄せ、そこからアクセスするという土地。
「抵抗あります?有料道路の真ん中って。」
そりゃ、多少はヘンだとは思いますよ。たとえば高速の途中とかに自宅のあるヒトって、逢ったことないですし。
でも、そんなおかしな物件こそ掘り出し物かもよという妙な期待もあり、まあともかく行ってみましょうよ、ということになりました。
このブログについて平日は多忙なサラリーマン、だが休みとなると植物栽培マニアと化す夫。膨大な数の珍植物が自宅からあふれ置き場所に困り果てた挙げ句、夫婦の選ぶ道は「田舎で地主になる!」。植物と人間にとって理想の土地を探し求めることに決して妥協しない彼らの「とんでもない紆余曲折」を、赤裸々に綴ったブログ。
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著者紹介Miori
子供や夫や動物を育てるのが趣味。カフェの窓際でのんびり読書する時間と、家でのんびり造顔マッサージする時間が持てれば幸せ。と、ささやかに都心のインドア生活を楽しんできた主婦が、突如「田舎の土地をゲット」するために髪を振り乱して奔走しはじめる。結婚相手によって、人生が激変することを実感中・・・

