第71話|浮気
そんな出口の見えない状況で鬱々としていたとき、1通のメールが届きました。
懐かし〜い、アノお方からです。
「ご無沙汰しています。その後いい土地は見つかりましたでしょうか?
こちらでも、ご希望に合う物件を探していましたら、随分時間がたってしまいました。
最近いくつか、広さも日当たりも申し分ない物件が出てまいりました。・・・・」
そう、そのメールは、わたしの中では‘癒しの不動産屋さん’としてポイントの高かったT様からでした。
びっくりNGの土地もひょうひょうと紹介してくれたりするお方なのですが、
今まで紹介された物件のマニア度の高さからいって、当たればツボにはまるかもしれない。
Tさんのメールにくっついてきた物件概要だけではよく分かりませんが、
ひとつは、日当たりと立地のよさそうな物件。
もうひとつは、2000坪近くある平坦地の物件。
どちらも、添付の小さな写真で見る限りでは、何だか希望が持てそうです。
「一応このふたつ、見に行ってみようか?」
「そうだな。条件を満たす土地で、苦労しなくても手に入るなら、そのほうがいいもんな」
・・・苦労しないで手に入る。
そのフレーズの、耳に心地のよいことよ!
農家にならなくったって、金額の折り合いさえつけばポンと買える土地。
ああ、楽だわ!楽って、なんて素晴らしいの!
わたしは早速パソコンにむかい、「今週末、拝見したいです」とTさんに返事をうちはじめました。
