第42話|あいまいな笑顔のワケ
「はあ。あの洗濯物が、なにか?不法占拠ってことですか?」
よくありますよね。長いこと隣りが空き地だったりすると、そこを我が物顔で使うヒトがいるって話。
使わないにせよ、誰かがそこに家を建てたりすると、逆恨みするとかね。
もしや・・・・。
「まあとにかく、土地を全部回ってみましょうか。下に続く斜面地もわりといいですよ。ちょっと見てみます?」
Tさんはあいまいな笑顔を浮かべて、すたすたと歩き始めました。
さっきまでうろうろ写真など撮っていた夫もやってきて
「なに、なんかまずいことあるの?ひょっとしてこの土地また接道してなかったりしたの?」
うーんさすが苦楽を共に乗り越えてきた夫婦だけあるな。わたしと同じ懸念を抱いたか。
「ちがうのよ。なんか、洗濯物のこととかでいろいろ問題があるらしい。」
とても頭の悪そうなわたしの応答で、夫の顔にハテナマークがいっぱい浮かんでしまったのですが
それより何より、下に続く土地がどんななのか気になったわたしは、適当に遊んでいたこどもたちを回収して
ひとまずTさんの後を追いかけることにしました。
