第41話|気に入っちゃまずいの?
しかも高台、そしてたぶん風光明媚。
(背高く茂る雑草で、視界は広がっていなかったのですが。草を刈ればたぶんOKね。)
かーなーり、いいじゃないですか!
何しろこの唐突なひらけ方が気持ちいい〜。太陽が燦々と当たること請け合いです。
(あ、このときは残念ながら曇ってしまっていたんでね。しかも相当どんよりと。)
惜しむらくは、この平坦地ちょびっと狭いんですよね。300坪弱。
でも案内図を見る限り、奥に続く山のほうにも敷地がつづいています。それがもし有用なら・・・・
土地がうんと安いおかげで多少造成が必要な土地がついていたとしてもその分のコストは出るでしょ、
この高台はビニルハウスに譲るとして、山の中にしゃれたおうちをたてればいいよね。
木立の山荘かあ。軽井沢みたいだなあ。うん、いいんじゃな〜い?!
わたしはウホウホしながらそのへんを歩き回りながら、いつものように拙速に、わらわら盛り上がっていました。
もちろん夫も悪からずといった表情で、一歩二歩、歩数で土地の奥行きなどを測っています。
たぶん頭の中には、ビニルハウスの設置図が広げられているに違いありません。
夫のこのアクションは、ゴーのサインです。(と、勝手に夫婦のツーカーを気取ってみたりして。)
ファーストインプレッションはいいとして、この土地の全貌を早く知りたくなって、
土地のはじっこで案内図をもって静かに立っていたTさん目がけて大人気なくばたばた走りました。
「いいですね〜ここ。」とまずは印象をお伝えすると、おかしなことに、ますます静かな目をするTさん。
「気に入られました?」
「え?ええ。けっこう、いいとおもうんですけど・・・」
あれ?気に入っちゃまずいのかな。
「ですよね、今までもけっこう、気に入って何度か見られたお客さんもいらっしゃって。」
へーえ。そうなんだ。じゃ、なんで売れていないんだろう?
「日当たりもいいですし、利便性も確保されてますし、結構静かですしね。」
それでそれで?また何か、ネガティブ情報が隠されてるんじゃないの?
・・・あ、そうだ。ひょっとしてあれでしょう、入り口の道。
この土地もやっぱり、道がついていないんでしょ、他人の土地を地上げして道つくれとかいうんでしょ。
「いえいえ、あれはこの家の地所ですよ。ちゃんと接道しています。」
あれ、そーなんだ。じゃあ問題ないでしょう。っていうか、逆に何がネックで売れ残っているんだろう?
水道も電気もすぐ引いてこられそうだし。
「別にこの土地そのものに、何か問題があるっていうことは、特にはないんですよね。」
まーなんだかずいぶん歯切れの悪いお答え。なんか隠しているのかな。
「でもまあ、あるとすれば・・・・あれです。」
と言ってTさんは、道路への出入り口付近ではためいている洗濯物を指さしました。
