第24話|突然の電話に呆然とする
それは、いつも話をするKさんからではなく、売り主サイドについていた不動産屋のSさんからでした。
「すみません、実はね、あの土地の右側あるでしょ、現場小屋のあるほう。あすこがね、売れちゃったんですよ。さっき。」
・・・まったく意味が分かりませんでした。わたしたち、ちゃんと買付証明書も出しているんだけど。

この携帯を手にした次の瞬間、衝撃の事実が・・・!
「それがね、石垣さん(このブログでのあだなです)が、あなたがたとの交渉にしびれを切らしちゃって、直接お客さんをひっぱってきちゃったの。石垣さんが突然私どものところに、知り合いの自動車修理工場やってるヒトを連れてきて『このヒトが買いたいって言ってて、もう現金用意してきてもらったから。わたしもこのヒトに売りたい』っていうんですよ。売り主さんがじかにそういうんだから、わたしもどうにも止められなくてね。その場で契約、即金手渡しで。さっき契約が終わったんです。なんかすみませんねえ、本当に突然でねえ。」
・・・売れちゃった?右はんぶん?ってことは、あの土地は、永遠にわたしたちのものにはならなくなったの?
「すみませんねえほんとうに。また、いい土地ありましたら、すぐご紹介しますよ。」
Sさんは、やや早口にそう言うと、ぼんやりして対応の鈍っているわたしを置き去りにして、そそくさと電話を切ってしまいました。
わたしは、電話をにぎったまま、なにもいえず、呆けて立ち尽くしているだけでした。
