第22話|買う人にとって価値あるかどうか
ぶっちゃけた話、この土地は、全体で3000万円前後でというのが、売り手の言い値でした。500坪で、3000万円。どう思います?
ロケーション最高、インフラあやふや、道なし、違法建築あり。この値段そのものが適正なのか分からず、またわたしたちの懐事情も厳しかったのでとある不動産屋さんの友人に相談したところ、
「そんな調整区域の土地、3000万円は、ぜっっったい高すぎる。ふつうに考えたら1500万円だよ。資産価値が皆無なんだから、それでも高いくらいだって。」
とのこと。この助言には、相当へこみました。
そうかあ、いっこも考えていなかったけれど、資産価値っていう面で言えば、二束三文の土地なんだなあ。と、その時初めて認識したのです。あんなに素敵なところだけど、無価値。
なんと皮肉なことでしょう!
でも、田舎に土地を買うっていうのは、そういうことなんですね。資産価値を望んではいけない。あるいは、軽井沢や八ヶ岳に別荘を持てば多少の資産価値はあるのかもしれませんがまったくブランディングされていない神奈川県の田舎方面では、それを望むのは無理というもの。「それでもわたしたちは、ここがいいんだ。この土地を買うことで絶対に後悔はしない」と、断言して邁進するだけの強さが必要なんです。
でも、わたしたちは残念ながら、そんなに強くなかった。友人の言葉に揺れちゃうくらい。相談するヒトたちにことごとく「大丈夫?変な土地に手を出してない?しくじってからじゃ遅いよ。」と言われ、そのたびに夫婦して心がぶんぶん揺れ、加速度的に迷いまくっていったんです。「もっと条件のいい土地が、他にもあるんじゃないかなあ。拙速に手を打っているのかなあ」って。
で、現実とどう折り合いをつけようか考えていった結果、値引き交渉っていうやつで最大限頑張って不安の解消はコストダウンと引き替えにしよう。そうするしかない。ということに、自然となっていきました。

