第10話|物件が少ないのはなぜ?
そこから、世にも地道な「物件検索奉行」が始まりました。
子供を寝かせたあと、夫とふたりで、夜な夜なパソコンに向かって物件を検索する日々。
「最低気温が10度を切る前に、何とかいい物件を見つけなければ、植物が枯れてしまう」
という焦りもあり、そうとう必死でした。

いいちこの辛口ジンジャエール割りがいちばん。
おつまみはおさかなのソーセージで。
高級品はふさわしくありません。
まずは、自分たちの求める条件の整理から。これが、タイトなんだな。
日当たりがよければいいよねーなんていう漠然としたもんではありません。
- 南と東にひらけていて、朝日が早くあたるように南東には高いもの(建物や山)がないところ。
- もっと詳しく言えば、冬至時でも日照時間が8時間以上あるところ。
- 年間降雨量が2000ミリ以下のところ。
- 平坦地がよくて、広い南面の雛壇も(1段が300坪くらいあれば)まあいいとする。
- 産廃などがかつて投棄されていると、土壌が悪い可能性もあるので、素性のしれたところ。
- ケータイの旗が3本たつところ(夫の仕事が急に発生したときのため。今んところ働く意志はあるらしい)
- うちから車で1時間半まで、第3京浜か東名高速からアクセスできるところ。
- あとは、お金の折り合うところ。
・・・めんどくせえ客だなあ、と確実に思われるような、条件の数々でしょ。自覚してます。
でもま、これをふまえておかなければ無駄骨おってしまうわけで、一応自分たちで把握しておいたわけ。
で、あとはひたすら、検索検索検索検索。
お酒などを片手に、いいのがあるかナなんてふたりで物件情報のページを見はじめたりするんだけど、けっこう、ないんです。まずもって、500坪以上っていうのが。
最初はかわいく、というか図々しく、「小田急線沿線がいい?」なんて言っていたのですがそれは不可能らしいと、すぐに気づきました。
まずは適当に、大和市とか海老名市とか、まあ百歩譲って厚木市なんかを選んでクリック。欲しいのは、マンションでも一戸建てでもない「仲介土地」・・・だね、クリック。
次に条件設定のところをみると、「300m2から」というのが最大限の条件だったりして、そこをクリック。しかも世間知らずなことに、「2000万円まで」にもクリック。
で、「検索」ボタンをクリック!
そこで目のあたりにする文字列は、以下です。
「該当物件がございませんでした。検索条件を再指定してみてください」
があん。そうですか。
では、涙をのんで伊勢原市、平塚市までいっちゃう?いっそ大磯もか?と再設定してクリック!こんどこそ、どうかな?
「検索結果、2件の物件がみつかりました。」
とくる。やった。いそいそと詳細ボタンを押して、見てみると、
「平塚市 1450万円 350平米」
「伊勢原市 1800万円 315平米」
以上。
つまり、100坪程度までしか扱っていないという、現実です。検索項目から察すればよかったのですが、500坪の広さを必須項目にあげるヒトなんてそうそういないんでしょうね。いやたとえば、お金に糸目をつけなかったらどうかな?ためしに予算は「上限無し 万円」とすると5件の物件がみつかりましたとなるんです。でも内訳は、
「4200万円 685平米」「16,000万円 1,300平米」
ああ、高級な物件が出てきたわい。というかんじ。
はじめは、「なにこの不動産やー。しなうすー。」とののしったりしていたのですが、
手当たり次第、いろんなサイトで同じ作業を繰り返していくうちに、これはむこうが悪いんじゃない。わたしたちが特殊すぎるんだ。と、自覚しました。
「ぜんぜんないじゃん・・・・これじゃ長野かなんかにでも引っ越すしかないよ、なあどうする。」と、絶望的な声を出す夫に相づちをうつ気力もなく、氷で薄まったお酒をあおって、
「だったら植物へらせば。」と捨てぜりふを吐いて、ふて寝しちゃったりもするのですが、次の日の夜も、ふたりで肩を並べて「なんかいい物件ないかなあ」と探すのでした。
