第5話|難民の移住先がない
「うちからすぐ行けるところに、ビニールハウスが建てられる土地、借りられないかなあ」世田谷にある我が家のまわりには「生産緑地」がけっこうたくさんあり、ひょっとしたらひとつくらい貸してもらえるんじゃあ・・・という甘い考えも、当初はありました。

生産緑地や建築前の敷地を見ると、
これだけ広ければ何千鉢も置ける・・・と必ずぼやく夫。
これだけ広ければ何千鉢も置ける・・・と必ずぼやく夫。
でも、案ずるより生むが「難し」。
畑を耕しているおじさんを見つけると、かたっぱしから、「すみませーん、あいてる土地ってありますぅ?」なんて期待をこめて聞いてみても、「うちは無理だなあ。遊んでる土地?どっかにあるかもしれないけど、、、しらないねえ」「あそこはねえ、ちょっと前までヒトに貸してたけど、駐車場にしちゃったもんなあ」「むこうんちのじいちゃんは、貸したいっていってたけど、こないだ死んじゃったからねえ。」などと、暗い情報をもらうばかり。なぐさめにキュウリをもたされたりするのが関の山でした。
生産緑地って、都心ではやたらとのどかな空き地みたいに見えるから、「そこ、使っていいよ。どうせあいてるし。賃料?いらないいらない。使ってないんだから」なーんて誰かが言ってくれるかもよとアホな期待をしましたが、よく考えるまでもなく、そんな虫のいい話はない。あるわけがない。地価の高い東京で、他人の土地をひょいと借りようなんて、発想そのものがゴミでした。

屋根が平らな家を見ると、オレにこの屋上をくれ・・・
とつぶやく夫。
とつぶやく夫。
