第4話|温室難民、続出
毎年毎年、植物の数は増え(浮気できないから植物に没頭するんだ、と彼はほざく)すでにある植物達は、すくすく成長はしても「場所とってごめんね」と謙虚に縮んだりはしないので植物を置くスペースが指数関数的に増えていき、やがて置く場所がなくなるのは、自明の理。

まともに歩くと左右にある植物の棘にひっかかるのでカニ歩き必須。
結婚前に2棟あった温室がいっぱいになると、当たり前のように3棟目をたて、それが一瞬でいっぱいになると、もう既成の温室をたてる場所がなくなりました。

今は植物置き場。もはや家から庭に出ることは不可能。
庭の上部、2階レベルに巨大なフレーム(木製の、背の低い温室。高さが1mくらい)を作ってそれでも足りなくなってミニビニールハウスを庭のデッキの上にたてて(デッキに人間の居場所はなくなった)そこでもう、温室を増設する場所は尽き、さらに家の窓際はすべて占拠され、あとは家の屋根を陸屋根に改造して、その上を使うくらいしか手の打ちようがなくなりました。
「木造って陸屋根でも大丈夫かなあ」なんて言いながら、友達の建築家に見積りまでしてもらったのですが、もちろん、結構バッカみたいな額が動くわけ。
「ねえ、もう植物を増やさないっていうのは、選択の中にないの?」とおずおず聞いてみると「植物欲は禁欲できない。それは、俺に死ねってことだっ。」などと叫ばれ、まさに手詰まり。
浮気されてもやだしなあ、植物育てること自体は悪い事じゃないしなあ、子供の教育にもいいし、だからといって、田舎に引っ越すわけにも、いかないよねえ。仕事あるし・・・・
と、立ち止まって悶々と考えている間にも、植物たちは待ってはくれずじわじわじわじわ成長していて、今年の春植え替えたら、みんなひとまわり大きな鉢になって、絶対的にどこにも置く場所がなくなる、雨ざらしにしても家の奥に入れてあげても、環境が合わなくて死んでしまうんだーーーー!と死者多数が予測される事態に陥り、どんどんどんどん追いつめられていきました。

