Farm Campus

左がFarm Campusの発起人の渡邉さん、右が畑の世話をしてくれる農家の工藤さん。
農業を通した食と文化の交流の場
田園広がる一松エリアに、この夏Farm Campusという農園がオープンした。
古民家を改修したレストハウスやウォールペイントで飾られたオープンなキッチンの小屋、そして野菜がすらっと列状に植えた美しい畑の風景。来るだけでほっこりする場所になっている。ここでは、農業をしたいけど場所がない人や、どうやって農業を始めればいいか分からない農業ビギナー向けに、畑を解放し、好きなときに来て好きなときに収穫する新しいスタイルの農業の場を提供している。
Farm Campusを運営する渡邉さん、そして畑の世話をする工藤さん、この2人が出会ったことで、この新しい試みは始まった。元々都内で不動産業を営んでいた渡邉さんは、ある頃から食について真剣に考え始めた。ちょうど産地偽装事件や食品の安全性が世間を騒がせていた頃だ。本当に大切なのは安全な食品をちゃんと消費者に届けること。しかし、現在の食品流通の仕組みではそれは不可能だった。生産者から卸業者、そして小売店と人の手を介していくことで、その食品はただのモノになって売買される。そんなシステムに行き詰まりを感じ、食品の新しい提供のし方、また食を介したコミュニティの場を提供したいと、今の仕組みを思いついた。
そんなとき、長野で昔から無農薬農法で野菜を育て販売していた工藤さんと出会う。工藤さんのところでは無農薬農法で育てた野菜を会員となっているお客さんが直接畑まで買いにくるという、一風変わったシステムで野菜を提供していた。工藤さんも自身が体調を崩して以来、それまで使っていた農薬を一切やめて、その頃はまだ認められてもいなかった無農薬農法を手探りで始めた。農薬のない時代の古い農法を研究し、農薬を使わずに美味しい野菜を育てる農法を経験で積み上げていった。工藤さんもまた、生産者から消費者へ、直接お互いの顔が分かる流通システムを実践してきた一人なのだ。
その2人がお互いのビジョンに共感し始まったのがFarm Campus。Campusの名前には、ここがただ農業体験をするだけの場所ではなく、食を通した世代間の文化、ノウハウ、意識の交流する場となってほしいという意味が込められている。ただ収穫できるだけでは、結局は生産者と消費者という関係のまま。そうではなく、消費者が食について考え、食への知識をそこに集まった人から人へ伝達し、継承していく。小さいけれど、今までの食品の流通システムではなし得なかった、消費者が主体となった食の場を提供することにある。
付帯の施設も、ここの会員であればいつでも自由に使える。畳の上で寝転んだり、本を読んだり、イベントを開いたり、気兼ねなく使うことができる。つまり共有の別荘みたいなものなのだ。そしてそこで野菜を収穫し、そこに来た他のお客さんと共に料理し食べる。
決められた堅苦しいルールもなければ、管理人も畑に出ていて、いたりいなかったり......
そんなゆるやかな集団の調和の中で成立する小さなコミュニティだからこそ、食の真の価値を発見することができる。それはやがて小さなビレッジになって、もしかすると疲弊する地方を変える仕組みになるかもしれない。Farm Campusは房総という田舎だからこそできる、新しい社会の枠組みの実験場なのだ。

古民家を改修した会員が自由に使えるレストハウス。

小屋を改修したフルオープンのキッチン。黒板に工藤さんのいる畑が書いてある。

畑仕事のあとはこの畳でゆったり休憩したら、なんて心地いいことだろう。

畑はこの周辺にいくつか点在していて、列状に同じ野菜の苗が植わっている。

無農薬農法で育てた野菜たちはとにかく大きくて美味しい!
農業を通した食と文化の交流の場 Farm Campusの日常とイベント情報満載
http://farmcampus.main.jp/
餅つき@greendrinks boso 12/19 2010.12.13 update











