馬場未織さん

text / photo = 大我さやか(Open A)

一家で週末の田舎暮らしを実践している馬場未織さん。

週末は南房総で親子揃って田舎暮らし!

今回ご紹介するのは房総での過ごし方。南房総で田舎暮らしを実践する馬場未織一家だ。彼女はかつて房総R不動産のHPにあった「ボクのママはいつか地主」という連載で人気の建築ライター。この南房総の土地を手に入れるまでの紆余曲折がありのままに綴られていて、実際に田舎に土地を買おうと思っている人はとっても参考になるブログだ。

 

そんな馬場さん一家のライフスタイルはというと、平日は都内で仕事をし、週末は家族揃って毎週南房総に来ている。車がやっと通り抜けられる細い上り坂を登った先の8700坪の古家付きの土地に、夫の植物好きがきっかけで始めた田舎暮らしはまもなく4年になる。
田舎暮らしといえば都会の喧噪を忘れて......といったのんびりしたイメージがあるが、都会にいるときよりずっと慌ただしく働いているというから意外だ。

 

まずは草刈り。ただでさえ大きな土地に、春、夏は毎週来ていてもあっという間に草がボウボウ。険しい斜面を芝刈り機で草を刈るのはかなりの重労働。

 

裏手の山では、春はふきのとうやぜんまい、初夏にはたけのこ、秋冬はクリやみかん......などなど、四季を通して数えきれないほど色んな野菜や果物が旬を迎える。一日がかりで収穫したそれらは夕飯の食卓に並ぶ。子供たちは食べ物の旬を体で感じとって知っていくのだ。

 

夏は子供たちの合宿大会。入れ替わり立ち代わり同級生を呼んで、裏山や川、館山の海に連れて行く。魚を捕ったりシュノーケルをしたり、子供たちにとっては最高の夏休みのイベントというわけだ。
初夏には梅がものすごい量採れるので、親から習ったこともない梅干しづくりに挑戦。他にもジャムやジュースなど加工のバリエーションが増えてきた。畑ではじゃがいもや生姜など季節の野菜も育てる。

自然の中では、1年中様々なイベントがあり、その間に畑作業や草刈り等、田舎ならではの仕事がある。それらをこなすのは別荘生活とは全く違う。「住まうこと自体が重労働。だけど、脳だけを酷使する都会の生活とは違って、肉体労働中心の田舎暮らしはどんなに疲れても心地いい」と馬場さんはいう。

週末の田舎暮らしが当たり前となった子供たちはというと、長男のニイニくんは大人顔負けなほど昆虫や植物に詳しくなり、次女のポチンちゃんはインドア派ながら虫を恐れないタフな女の子に育ち、三女のマメちゃんはまだ2歳なのに凸凹した野山の地面をたくましく歩いている。色んなものを吸収する年頃の彼らにとって、この環境はなににも代え難い貴重な経験だ。

ここに来て分かったこともある。里山の抱える問題の深刻さ、過疎化し誰も住まなくなってしまうことへの危機感。それらを実感していく中で、馬場さんには里山保全への関心が芽生えた。都会の人が気軽に里山を訪れる仕組み、第二の故郷のような感覚で都会の人々を里山に呼び込みたいという。

 

初めはひょんなきっかけで、この南房総の地で週末生活することになったのだが、いつの間にかこの生活は馬場さん一家にとってなくてはならないものになった。夫婦共働きの一家にとって、南房総の家は家族の絆であり、教育の場であり、団欒の場だ。そういう暮らしの中から自然と湧き出てきた里山保全への意欲。田舎暮らしは、自分や家族の価値観を変えるものになるかもしれない。


縁側から伸びるウッドデッキ。日差しが最高に気持ちいい!

庭に自生していたゆず。スーパーはなくても食べ物には困りません!

東京の庭で愛でていた園芸植物も引っ越してきた。

急な斜面をたくましく歩く子供たち。虫は遊び仲間なのです。

このウッドデッキは知り合いの建築家がプレゼントしてくれたもの。 贅沢です。