ローンを組める銀行は限られていた

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シビアな銀行の話に戻ろう。
とにもかくにも、僕らはこの房総に土地を買うことは決めたし、場所も見つかった。
次は「いったいいくら借りれるのか?」ということに話の軸足は移っていく。
海辺の夢の生活ではなく、シビアな現実と向かい合わざるを得ない。

事前の銀行ヒアリングで、かれこれ20年以上もホームバンクだったM銀行から借りられる金額はおよそわかっていた。
しかし、その金額ではどう見ても足りない。
建物に関してはプロなので、自分が思い描いている住宅に、どのくらいの予算がかかるのかはほぼ予想できる。
せっかく自分の家なので、ふつうのお施主さんの仕事ではできない実験をいろいろやってみたい。当然、少々施工費も高ブレするだろう。それは仕方がない。
僕自身は住み方の実験台でもあるからだ。もっともそれにつきあわされる家族はたまったものではない。しかし、それも運命だと思ってあきらめてもらおう。あー、これ読まれたらまた怒られるのかな・・・。

M銀行よりも、多くの金額を貸してくれる銀行は果たしてあるのか?
それを求めて、複数の銀行に当たり始めた。

まずは自宅の近くの信用金庫など、小さめの銀行。大手より融通がきくかもしれない、と淡い期待。
しかしそれらは電話ヒアリングですべて玉砕。
「房総は対象エリア外です」
なるほど、それは仕方がない。

次は勤務地、すなわち日本橋や神田エリアの小さめの銀行。
僕は、あるキラーワードを用意していた。
「Open A でも口座も開きますから、個人の住宅ローンについても考慮してください」
まとめて法人の口座もつくることで、先方のメリットを増やそうという作戦だ。事務所の地元のならではの戦い方。
がしかし、これはまったく効果がなく、
「別々に考えて下さい」と、軽くいなされてしまった。
普通に審査をされてしまうとまったくメリットがない。

最後が、房総の敷地の近くで探す、というもの。
結果から言えば、これが圧倒的に正解であった。
なぜならば、その土地の評価額を正当に出すことが可能だから。
またこの周辺での取引が盛り上がれば、それは中期的にエリアバンクの成長にもつながる。
房総を、「東京の果ての別荘地くずれ」と見ているM銀行とは基本的なスタンスが違う。地域立脚型なのだ。
こうして、馬場家は上総一宮駅の近くに唯一ある銀行、千葉銀行一宮支店で住宅ローンを組むことになる。

金額的にはM銀行と、500万円以上の差があった。これはデカい。
もっとも、M銀行の融資額が見えていたので話も進めやすかった、というのはある。
やはり足下から固めていくのは正しいようだ。

銀行を探すために数冊のローン参考書を読み、さまざまなオプションが存在するのは知ってはいた。
しかし、
 ・僕のように小さな事務所の経営者
 ・住宅地なのかどうなのか微妙なエリア
 ・しかも、そこに少々変わった家(住宅メーカーではない家)を建てようと思っている

こういう三重苦のような人間がローンを組もうとすると選択肢はおのずと限られている。
 ・信用の蓄積のあるホームバンク
 ・土地の評価が正当にできる地元銀行
この二者択一だった。

当たり前といえば当たり前。
でも、こんなことさえ僕は知らなかったのだ。
そして銀行によって、こうも条件に差があることも初めて知った。
おやじは昔、某地方銀行に勤めていたにも関わらず。

この後僕は、様々なタイプのお施主さんの住宅を房総で設計することになるのだが、
みなさんのローンの組み方もさまざま。
お金の流れもいろいろあって、それもまるでデザインの一部のようだと実感することになる。
今後、少しずつ書いていこうと思う。
今考えると、僕の組んだ単純な住宅ローンは、かなり頭の悪いパターンだということも徐々にわかってくる。
しかしこの時は、こんな不安定な僕でも一定のローンが可能なことに胸をなでおろしていたのだった。

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コメント

知り合いが、銀行では断られたけど、地元のJAバンクだけ唯一貸してくれたと言っていました。

どっちにせよ地元ってのがキーワードですかね!

こんばんわ。
わたしもローンには苦労しました。また銀行によって全く違うというのも実感しました。私もありましたよ、「一宮は別荘地なので、住宅ローンはくめません。」と、、、。目が点、、、。

へえ〜。
JAバンクって、いいとこに目をつけましたね。
房総のように、ちょっと都市部から離れた場所は、JAにとってはホームエリア。たしかにあり得ると思いました。
今度、話を聞きに行ってみようかな。
ありがとうございます。

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このブログについて

東京R不動産のディレクターでもある馬場正尊が、ふとしたきっかけから房総に土地を買い、家を建て、生活を始めるまでのストーリー。資金調達から家の設計、周辺の環境や人々との交流、サーフィンの上達? まで。彼の人生は些細な気づきから、大きくそれていくことになる。馬場家の東京都心と房総海辺の二拠点生活はこうして始まった。

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著者紹介

馬場正尊