一松のパン屋、naya

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九十九里有料道路(通称:波乗り道路)と平行に走る九十九里ビーチライン(一般道)の、何でもない風景のなかに、忽然とこの店はある。ヨーロッパが切り取られて落ちてきたような、そんな一軒家。ワイルドな房総の周りの風景とのギャップがシュールでさえある。近寄ってみるとパン屋だ。 庭にはさまざま植物が植えられている。ゆったりした空気が流れてるのが、通りまで伝わってくるようだ。

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中に入ると、高窓から明るい陽が差し込み、それが手塗りの漆喰壁に反射して優しい表情をつくっている。パンの焼ける香ばしい匂いとあいまって、心地よさでいっぱい。大きな空間にシンプルにパンだけが並べられている風景は、なんだかとても贅沢に見えた。

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天然酵母を使ったパンは、もっちりとした質感があって、妙においしい。まさか房総の海辺で、こんなにうまいぱんが食べれるとは思ってもみなかった。 どう考えても不便な場所にあるのに客足が絶えない。地元ではすでに評判の店になっているのだろう。一見、店の雰囲気に不釣り合いの、いかにも地元風情のおばさんたちもいる。それがまた気持ちを和ませてくれる。

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ここでパンを焼いている二人に尋ねてみた。
「なぜ、この場所に店を持とうと思ったのですか?」
すると、こんな答えが返ってきた。簡単に要約すると・・・。

もとは東京でデザイナーとアートディレクターをしていた。でもある日、パン屋をやりたくなって場所を探した。それで見つかったのがこの土地。とにかく安かった。建物の骨格の部分はプロの大工につくってもらったが。床、壁、天井、照明・・・ほとんどを自分たちで、週末に東京から通いながら少しづつ、つくっていった。完成までには1年くらいはかかったかな。

話を聞いた後も謎だらけ。そもそも、なぜ房総でなければならなかったのか? なぜパン屋でなければならなかったのか? でも、そんな疑問を抱くこと自体、野暮というもの。
家の近くにおいしいパン屋、それはとにかく幸せなことだ。

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naya

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コメント

はじめまして!みにぱんさーといいます。
今回コメントさせていただいたのは、非常にうちに状況が似通っていたことと、nayaの紹介に反応してしまったからです。
実は、3年半ほど前から実家が東京から千葉の大原に移って、両親は今は東京と大原を行ったりきたりする生活をしています(僕は京都にいるのですが・・・)。
nayaさんにもしょっちゅ遊びに行っているようですw僕も行きましたが、とってもおしゃれで素敵ですよね!
房総には実は、隠れたおいしいお店がありますよね。
僕のお勧めは40miles STATIONです!
とってもおいしいし、かっこいいインテリアなので、一度ぜひ!
http://www.surfgarden.jp/40miles-st/index.html

馬場です。
確かに、この店、うまそうですね。
今度、行ってみます。またおもしろい店、風景などあったら教えてくださいね。

はじめまして。
千葉の大網で育ち、今は東京で暮らしています。
週末は大網の実家に帰り、そこから一宮の海にサーフィンをしに行っているのですがその途中にあるこの店すごく気になっていました。
今度行ってみます!

はじめまして!R不動産の本から入って、ニュースをいつも楽しみに読んでいる東京在住の者です。
我が家も一年前に空の広さに引かれて海の近くの家を購入。nayaさんがあったのも購入のきっかけでしたからびっくり!ご近所に珈琲専門店KUSAさんもあります。静かでいいお店です。
http://www.kusacafe.com/

馬場です。KUSAさんには僕もふらりと立ち寄りました。
マスターのぼくとつとした感じがいいんですよね。
豆について訪ねると、ちょといい話が聞けました。
今度、コラムを書いてみますね。

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このブログについて

東京R不動産のディレクターでもある馬場正尊が、ふとしたきっかけから房総に土地を買い、家を建て、生活を始めるまでのストーリー。資金調達から家の設計、周辺の環境や人々との交流、サーフィンの上達? まで。彼の人生は些細な気づきから、大きくそれていくことになる。馬場家の東京都心と房総海辺の二拠点生活はこうして始まった。

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著者紹介

馬場正尊